ポエム
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無機の花
日も射さぬ コンクリートの隙間に
影すら揺れぬ 冷たい水底に
行き先を失くした 錆びつく線路の上に
手の届かぬ 高く伸びた木の枝に
滴が響く 波打つ浴槽に

痛みだけを湛え
人知れず そっと咲く

名を呼ばれることもなく
陽にさえ看取られず
何を願って 何を遺したかさえ

ひとひら 音もなく
世界の片隅で 芽吹き
もがき そして 散った

今日もまた どこかで
一輪だけの春が 終わってゆく
25/08/13 19:03更新 / Xiu

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