ポエム
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薄明にたそがれ
照らす太陽 晴れた空 君のこと思い描いてる
偶然にも鳴り出した電話を手に響く君の声

二人出会ったあの砂浜
呼び出された意味になんとなく気付いてた
電話口の声 沈んだ君の声

気付かない振りしてたけど 気付かないはずもないよ
「離したくない きっと離しはしない」
そう自分に言い聞かせて足取り重くあの場所に向かう

誰よりも強く想ってる
そんな俺の気持ちに気付いてると思ってた
滲むその瞳は今にも溢れそう

掴んだはずの君の手が 指の間から零れ落ちて
残された温もりさえ 風にさらわれてゆく

気付かない振りしてたけど 気付かないはずもないよ
「最後に一度強く抱き締めたい」
傍に立つ見知らぬ男を前に叶うはずもないことなど

二人歩んだ思い出は 砂上の足跡のように
静かに輪郭をなくし 波にさらわれてゆく

白い砂浜 青い海 君の頬 全て紅く染め
海の底に焼け落ちた夕陽を背に沈むこの心
25/08/25 20:47更新 / Xiu

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