ポエム
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賞味期限切れのプリン
冷蔵庫の奥に
あのひとが買ってきてくれていたプリンを見つけました
すっかり忘れてしまっていて
賞味期限を確認したところ
とっくに切れてしまっていました
なんだ、と思い捨てようとしました
でも なぜか体が動きませんでした

まるであのひとみたいじゃないか
放置しているくせに 好きだといって安心させておいて
いざとなったら簡単にポイッと捨ててしまうのか
もう食べ頃は過ぎたからと

プリンにとって私はとても憎らしい人なのではないかと思って
せめてもの思いで食べることにした
本当はもっと早く食べきっていればいいものを

プリンと自分を重ねるような変なひとだから
あのひとは私を捨てたのだろうか

プリンはおいしかった
19/08/15 10:02更新 / じゃすみん



談話室



■作者メッセージ
11作目です。お久しぶりです。
失恋をし、プリンと自分を重ねてしまうくらいショックを受けている女性。
でも、その大好きなあのひとが買って来てくれたものをちゃんと残さず食べているので、この女性は前に進めるのではないでしょうか。
みなさんも、素敵な恋愛ができるといいですね。

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