雪山の呼び声
雪山に身を潜める。
散っていった仲間の声が聞こえる気がする。
小さなエールを受けて鎌を握り締めた。
岩陰から奴の元を目指す。
「×××?」
名前を呼ぶ声。
「こっちおいでよ」
甘ったるくて、イライラする。
ギリッと睨みつけるとまた名前を呼ぶ。
あんたのその声は、一種の媚薬なんだよ。
何度も何度も名前を呼んではこっちへこいと誘導する。
その"こっち"は言わば現世の淵だ。
姿が見えて鎌をおいてショットガンを撃つ。
なんで撃つのさ……と甘さの中に狂気を隠した声。
玉が当たって雪の上に倒れ込んだ。
目の前に声の持ち主が立つ。
血溜まりから体を起こす気力はもうない。
やっと来てくれた
そんな言葉に脳が考えるのをやめろと訴える。
血溜まりに体が沈む。
ね、楽になろう?
あいつの声が頭元に歩み寄る。
とろりと微睡む。
なんで戦ってたんだっけ
こんなにも暖かいのに。
散っていった仲間の声が聞こえる気がする。
小さなエールを受けて鎌を握り締めた。
岩陰から奴の元を目指す。
「×××?」
名前を呼ぶ声。
「こっちおいでよ」
甘ったるくて、イライラする。
ギリッと睨みつけるとまた名前を呼ぶ。
あんたのその声は、一種の媚薬なんだよ。
何度も何度も名前を呼んではこっちへこいと誘導する。
その"こっち"は言わば現世の淵だ。
姿が見えて鎌をおいてショットガンを撃つ。
なんで撃つのさ……と甘さの中に狂気を隠した声。
玉が当たって雪の上に倒れ込んだ。
目の前に声の持ち主が立つ。
血溜まりから体を起こす気力はもうない。
やっと来てくれた
そんな言葉に脳が考えるのをやめろと訴える。
血溜まりに体が沈む。
ね、楽になろう?
あいつの声が頭元に歩み寄る。
とろりと微睡む。
なんで戦ってたんだっけ
こんなにも暖かいのに。