ポエム
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恋とすれば偽りである
恋の歌をきいて
枝の先で季節外れに咲いていた
並木道の桜を思い出した

なんだ
特別じゃないかと
胸に落ちた安堵に縋る

恋の歌をきいて
いつもと違う手を繋いで気付いた
暗がりから聞こえた鼓動を思い出した

なんだ
特別じゃないかと
置き去りにした幸せに目を瞑る

恋の歌をきいて
海沿いを湿度の高い日に歩いた
水に囚われたような感覚を思い出した

なんだ
特別じゃないかと
隣に並んだだけの温度に押し黙る

恋の歌をきいて
恋ではないこいのようだった
和らぎに目を向けず声を殺した

なんだやっぱり
特別じゃないかと
貴方は私を許さなかった

思い出した
恋の歌をきいて
恋ではない
この愛を
20/09/17 22:10更新 / 月日



談話室



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