黒で彩られた劇場に
最後の音楽
ピアノが転がり
ストリングスが散る

エンディングテーマの合間を縫って
涙音が響く
もう終わってしまうのねと

この劇場の何処かで
君も泣いてくれているのかな？
溶けゆくこの身体では
君を見つけられないけれど

鳴り響くクラクションが
エンドロールの最後を飾る

閉じかけた細い視界の隅で
ノイズ混じりの耳で
捉えたのは君

映画は終わる　私が終わる
それでも君と会えたから
この映画はハッピーエンド
これは悲しい終わりじゃない

ありがとう

■作者メッセージ
2作目に上げた「君と僕を繋ぐもの」からこの「映画が終わる時」までは自分の中で一まとまりの扱いです。

というのも、これらは定期的に（月に一度）詩を書く企画に参加していたときの詩でして。
定期的に詩を書くというなかなか無い機会に恵まれたので、何か特別なことをしたくて、詩のタイトルでしりとりをしていました。（企画にはその後も参加していましたが、ちょうどこの詩で最初の文字に戻れたのでしりとりは終わりにしました）

もし、タイトルのしりとりに気付いて下さった方がいたら嬉しいです。