凍て緩む
冬の風は冷たく硬く
長袖からちらりと覗く指先を
遠慮なく突き刺す
朝に染まった街の中
だから私はいつも
痛む指先を胸に抱きこんでいた
だけど今日
指に感じる風は緩いまま
棘を無くして溶けてゆく
空気には光が混じり
私の身体を薄白に染め上げた
思わず見上げた梢には
ぽつぽつと赤花が散り
喉を通っていく空気は甘い
冬の後姿は道の向こう微か
春の歩みが私に近づく
長袖からちらりと覗く指先を
遠慮なく突き刺す
朝に染まった街の中
だから私はいつも
痛む指先を胸に抱きこんでいた
だけど今日
指に感じる風は緩いまま
棘を無くして溶けてゆく
空気には光が混じり
私の身体を薄白に染め上げた
思わず見上げた梢には
ぽつぽつと赤花が散り
喉を通っていく空気は甘い
冬の後姿は道の向こう微か
春の歩みが私に近づく