掌は取り残される
掌には何も残らない
遠く染まる朝焼けも
風に揺れる猫じゃらしも
すり抜けるだけで
遠くへ行くばかりで
私は取り残されるだけで
掌は空(から)だって
知っているから
いつだって握り締めている
でもそれでも空は高く
でもそれでも風は清(さや)か
取り残されるのは
いつだって私ばかり
それでも
掌の内は見ない振りで
悲鳴は押し殺して
涙は喉に飲み込んで
遠く染まる朝焼けも
風に揺れる猫じゃらしも
すり抜けるだけで
遠くへ行くばかりで
私は取り残されるだけで
掌は空(から)だって
知っているから
いつだって握り締めている
でもそれでも空は高く
でもそれでも風は清(さや)か
取り残されるのは
いつだって私ばかり
それでも
掌の内は見ない振りで
悲鳴は押し殺して
涙は喉に飲み込んで