自重
自重に耐えられなくなったとき
赤ん坊は泣き声を上げる
立ち上がる事が不可能に思えるし
目の前にいる親は事もなげなフリをしているし
小さいながらに理不尽な気持ちで散々泣く
自重に耐えられなくなったとき
少年はベッドに横たわる
枕元の漫画に手を伸ばす
机の上の宿題が不満を漏らすけれど
それを無視して無邪気な癖に世慣れた風に笑う
自重に耐えられなくなったとき
青年は椅子に凭れる
重い溜息で不満をやり過ごす
ディスプレイに映るExcel表をどう直すか悩みだす
右下の時計で昼まであと10分である事に安堵する
自重に耐えられなくなったとき
中年は首をかしげる
こんな人生で良かったのだろうか、と車のシートに身を埋める
自重に耐えられなくなったとき
老人は窓外を眺める
起き上がり機能で持ち上げられたベッドに張り付いたままで
誰かが来てくれると思っている訳では無いのだけれど
それでも窓外を眺める
自重に耐えられなくなったとき
人は常に自分と向き合っている
呼吸と心音が今ここに居る自分を思わせるように
自重は人と世界の関係性-アフォーダンス-でもって
自分が何であるかを教えてくれる
21g
何処かの誰かが言う魂の重さ
自重に耐えられなくなったとき
赤ん坊は泣き声を上げる
立ち上がる事が不可能に思えるし
目の前にいる親は事もなげなフリをしているし
小さいながらに理不尽な気持ちで散々泣く
自重に耐えられなくなったとき
少年はベッドに横たわる
枕元の漫画に手を伸ばす
机の上の宿題が不満を漏らすけれど
それを無視して無邪気な癖に世慣れた風に笑う
自重に耐えられなくなったとき
青年は椅子に凭れる
重い溜息で不満をやり過ごす
ディスプレイに映るExcel表をどう直すか悩みだす
右下の時計で昼まであと10分である事に安堵する
自重に耐えられなくなったとき
中年は首をかしげる
こんな人生で良かったのだろうか、と車のシートに身を埋める
自重に耐えられなくなったとき
老人は窓外を眺める
起き上がり機能で持ち上げられたベッドに張り付いたままで
誰かが来てくれると思っている訳では無いのだけれど
それでも窓外を眺める
自重に耐えられなくなったとき
人は常に自分と向き合っている
呼吸と心音が今ここに居る自分を思わせるように
自重は人と世界の関係性-アフォーダンス-でもって
自分が何であるかを教えてくれる
21g
何処かの誰かが言う魂の重さ
自重に耐えられなくなったとき