ポエム
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夜光
夢幻の空の下
雲の切れ間の緞帳が
音も立てずに開く時
月の涙は光となりて
彼方此方へ降り注ぐ

屋根の上照らす月明かり
私を誘う銀色の
月の涙は光となりて
彼方此方へ降り注ぐ

歪な音の楽団が
装い誠に面妖な
五月蝿い靴音踏み鳴らし

今夜ばかりは盛大に
誰に憚る事もせず
空に音符を浮かばせる

やがて夜が明け緩やかに
青と赤とが混じり合い
白い光が屋根照らし
夢幻はお開きに
残月惜しむ皆々様の
微笑む顔に別れ告げ

昇る朝日は金色の
大きな波が包み込む
まどろみ誘う漣の
揺れる水面に飲み込まれ
やがて静かに去り往くは
靴音高く響く道
夢幻の空の下
道化の歌は鳴り止まぬ

音に響くは幻か
空に浮かぶは幻か
20/05/20 02:25更新 / RootlessWanderer



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