加速してゆけ!俺を追い越してくれ!
テレキャスターの金切り声が俺を殺す。どこまでも鋭く俺を殺していく。渦巻くノイズと反射する記憶のお前が風景を作りだす。恐ろしく鮮明な赤。お前は笑っていた。あの倦怠にまみれた世界で、お前は笑っていた。俺はお前が嫌いだった。
8月、コンクリートの熱に溶かされた空気が陽炎となって風景を揺らしていた。あまり心地よい景色ではなかった。俺は出し抜けにある妄想をした。色んな場所を巡り、その度に自分の大切な何かをそこに遺していく妄想。最期にはきっと肉にも満たない泡となって消えていく。そんな妄想。あまりにも卑屈で矮小だとお前は笑った。そんなお前を俺は殺した。風景が逆転して、声が枯れた。それでもお前は笑っていた。俺はお前が嫌いだ。
8月、コンクリートの熱に溶かされた空気が陽炎となって風景を揺らしていた。あまり心地よい景色ではなかった。俺は出し抜けにある妄想をした。色んな場所を巡り、その度に自分の大切な何かをそこに遺していく妄想。最期にはきっと肉にも満たない泡となって消えていく。そんな妄想。あまりにも卑屈で矮小だとお前は笑った。そんなお前を俺は殺した。風景が逆転して、声が枯れた。それでもお前は笑っていた。俺はお前が嫌いだ。