不発弾
僕が海でガンガゼに足を刺された時、僕の片足は大きく腫れました。
膝から下が象の足のように膨れ上がり、血が通っていないかのように真っ青になったのです。
その時分に、近くに僕の大切な人がいました。
彼女は人の失敗を最後には赦す、誰よりも優しい心をもった人でした。
彼女は僕の膨れた足を見て驚き、愛のこもった手で患部に触れました。
僕の人生が狂ったのはその時です。
僕の心が不発弾となったのもその時です。
彼女がトンカチのような僕の足に触れた瞬間、僕はその足で彼女を一心不乱に殴りつけていました。
海に遊びに来ていた周りの人たちが僕を止めにかかりましたが、誰も僕の足を止めることはできませんでした。
足は彼女の顔を痣だらけにし、腕の骨を折り、両足で立つことを禁じました。
僕はその間、意識が飛んでいたのではありませんでした。
足だけが呪いにかかったかのように、大切な人を殴りつけていたのです。
僕の足はいつ止まったか――?
その時は、彼女の口から心臓が飛び出した時、つまり、僕は彼女を一度殺しているのです。
(後に彼女の両親が高額な治療費を払い、優秀な外科医に心臓を元の位置に戻してもらっています)
それから五年が過ぎた今、僕はどうしているか――。
精神障害者手帳の二級を渡され、罰されることもなく、年金をもらって健やかに生きています。
いつ爆発するかわからない心を抱えて。
膝から下が象の足のように膨れ上がり、血が通っていないかのように真っ青になったのです。
その時分に、近くに僕の大切な人がいました。
彼女は人の失敗を最後には赦す、誰よりも優しい心をもった人でした。
彼女は僕の膨れた足を見て驚き、愛のこもった手で患部に触れました。
僕の人生が狂ったのはその時です。
僕の心が不発弾となったのもその時です。
彼女がトンカチのような僕の足に触れた瞬間、僕はその足で彼女を一心不乱に殴りつけていました。
海に遊びに来ていた周りの人たちが僕を止めにかかりましたが、誰も僕の足を止めることはできませんでした。
足は彼女の顔を痣だらけにし、腕の骨を折り、両足で立つことを禁じました。
僕はその間、意識が飛んでいたのではありませんでした。
足だけが呪いにかかったかのように、大切な人を殴りつけていたのです。
僕の足はいつ止まったか――?
その時は、彼女の口から心臓が飛び出した時、つまり、僕は彼女を一度殺しているのです。
(後に彼女の両親が高額な治療費を払い、優秀な外科医に心臓を元の位置に戻してもらっています)
それから五年が過ぎた今、僕はどうしているか――。
精神障害者手帳の二級を渡され、罰されることもなく、年金をもらって健やかに生きています。
いつ爆発するかわからない心を抱えて。