あなたを想い返して
高速道路の高架橋が瞬きをして
海月色の涙をぽつり零した
不幸で乾燥しきった空気
ここではないどこかへ
ただ、ただ――
それだけが願い。
右へ左へやってきては去る、車
右へ行く者は幸せへ
左へ行く者は不幸へ
もし未来の振り分けがなされているなら
僕はここから、どちらへ向かうのか?
あなたと出逢えた、
生涯にたった一つの仕合せ
葡萄酒のお風呂に浸るような
生という営みの転換点
けれど今僕は、不幸に立ち戻り
自らを、世界の誰より憎んでいる
風が頬を撫でる
残忍に僕を置き去りにして
高架橋の下に萌えそめる草木をゆりかごに
山鳩やムクドリが穏やかに遊んでいる
僕の心にふるえる望郷――
鳥たちのさえずりが、僕の恐ろしい過去を愛撫した
あの声――赤いマフラーのような声に聴こえる
海月色の涙をぽつり零した
不幸で乾燥しきった空気
ここではないどこかへ
ただ、ただ――
それだけが願い。
右へ左へやってきては去る、車
右へ行く者は幸せへ
左へ行く者は不幸へ
もし未来の振り分けがなされているなら
僕はここから、どちらへ向かうのか?
あなたと出逢えた、
生涯にたった一つの仕合せ
葡萄酒のお風呂に浸るような
生という営みの転換点
けれど今僕は、不幸に立ち戻り
自らを、世界の誰より憎んでいる
風が頬を撫でる
残忍に僕を置き去りにして
高架橋の下に萌えそめる草木をゆりかごに
山鳩やムクドリが穏やかに遊んでいる
僕の心にふるえる望郷――
鳥たちのさえずりが、僕の恐ろしい過去を愛撫した
あの声――赤いマフラーのような声に聴こえる