続いてきたもの
ある家の小さな庭に、春を呼ぶ風が吹いた。
しなやかな草たちはさらさらと風になびき、
銀色に輝くその様は美しかった。
しかし、その中に一本の醜い茎を持つ、せいたかのっぽの菜の花が生えていた。
その茎はあちこちがガコガコ屈曲しており、茎の内側には幾重にも渡る層があった。
そのせいか、とても硬くて頑丈だった。
庭の秩序には邪魔だからと、何人かの人が刈り取ろうとしてやってきた。
彼らは決まって、持参のハサミで力を加えた。
一層、また一層、と、菜の花の茎は壊れていった。
しかし、どれだけやっても、中心に通る芯だけは、到底誰にも切り取れなかった。
ある者が覗きこむと、その芯は濁った金色をしていた。
結局誰も菜の花を刈り取れず、今日も一本、醜く庭に生えていた。
菜の花の茎には、いくつもの傷が残り、風に吹かれるとその傷は痛んだ。
しなやかな草たちはさらさらと風になびき、
銀色に輝くその様は美しかった。
しかし、その中に一本の醜い茎を持つ、せいたかのっぽの菜の花が生えていた。
その茎はあちこちがガコガコ屈曲しており、茎の内側には幾重にも渡る層があった。
そのせいか、とても硬くて頑丈だった。
庭の秩序には邪魔だからと、何人かの人が刈り取ろうとしてやってきた。
彼らは決まって、持参のハサミで力を加えた。
一層、また一層、と、菜の花の茎は壊れていった。
しかし、どれだけやっても、中心に通る芯だけは、到底誰にも切り取れなかった。
ある者が覗きこむと、その芯は濁った金色をしていた。
結局誰も菜の花を刈り取れず、今日も一本、醜く庭に生えていた。
菜の花の茎には、いくつもの傷が残り、風に吹かれるとその傷は痛んだ。