ポエム
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きらきらちらちら
しあわせが私に合図しながら、きらきらちらちら消えていった
――ヘルマン・ヘッセ


湖面を舞う幸せが、きらきらちらちら
僕に合図を送って
これまでの嵐のような日々に、
手を振って、手を振って。

取水塔は前世の記憶を呼び覚まし
ガリガリに痩せた、採炭囚人の
ゴツゴツヂタヂタの手を見つめ。

痛みに耐えるカラスの鳴き声は、
僕の人生の声。

セルリアンブルーの湖に、苦しみは溶けていった。

たくさんの代償を払って、僕が手にした、僕。
僕という普通。
普通という僕。

ユキヤナギの木に、小さな小さな、けれど確かな成功が咲いてる。
白い、小さな今日、
今日という日が。

湖面を舞う日の光が、
暗闇に手を振って、手を振って。
幸せが僕に合図しながら、
きらきらちらちら、瞬いていた。
24/03/09 19:23更新 / たろう



談話室



■作者メッセージ
父と2人で多摩湖に行ったとき、作った詩です。
みんな特別になりたいと言いますが、僕はずっとずっと、普通に憧れていました。

発達障害は、歳を重ねていくにつれて治っていくともいいます。
21歳になった今。苦しみながら失敗を重ねて、やっとの思いで、普通を手にしました。

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