ポエム
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泪がほろほろ。
川には夜でも、生命が宿っている。
川は夜でも、おおらかさを保つ。
母なる土を、踏んづけて歩いて
僕は泪を乾かす。

いいよ、大丈夫だよ。
当たりたい時は、当たればいいよ。
気の済むまで、泣けばいいよ。
土はにっこり、僕を励ます。

川を流れる鴨のいたずらや、
唇を突き出して歩く、ずうずうしい鷺を、
川は大きな大きな、黒い風呂敷で
静かに静かに、包みこんでしまう。

真っ暗な川底から、どす黒い声がして
トキワサンザシの木には、
真っ赤な過ちが無数に実り。
僕の心は、金縛りにあったように締め付けられ。

血を出した心が、叫んでいるんだ。
生きていることに違和感を感じて。
こんなにも自分が、自分じゃないんだ。

夜の帳が、僕を包み込み。
泪がほろほろ。
あったかいな。
24/01/07 21:38更新 / たろう



談話室



■作者メッセージ
京王線の国領駅を下りるとある、「野川」という川で作った詩です。

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