片恋
もしもこの片恋を知ったら、
山や太陽は、僕を笑うだろう。
絶対に叶わない恋だから、
一人でそっと、大切に抱えてる。
高速を走る、プラチナの飛蝗のなかで
布の切れ屑みたいな、
何の役にも立たない気持ちを
僕はずっとずっと、
握りしめていた。
そろそろあけぼのが訪れる
聖水みたいな薄紅の明かりが、
僕の体を洗う。
その時だけは、僕は赤ん坊の頃のように
まっさらで綺麗な体を取り戻すんだ。
女神の厚い唇を感じて、
ミントの香りのする吐息をもらしたりして。
あなたは僕にとって、瞬く間の夢。
幼い僕に必要だった、
真綿の毛布みたいな母の幻影で。
いつかお祭りで買ったわたあめのように、
実体が無いようで有る
心に溶けていく優しさ。
あなたに決して、知られてはいけない。
若葉色の淡い空気と一緒に、
そっと飲み込んで秘密にしておこう。
山や太陽は、僕を笑うだろう。
絶対に叶わない恋だから、
一人でそっと、大切に抱えてる。
高速を走る、プラチナの飛蝗のなかで
布の切れ屑みたいな、
何の役にも立たない気持ちを
僕はずっとずっと、
握りしめていた。
そろそろあけぼのが訪れる
聖水みたいな薄紅の明かりが、
僕の体を洗う。
その時だけは、僕は赤ん坊の頃のように
まっさらで綺麗な体を取り戻すんだ。
女神の厚い唇を感じて、
ミントの香りのする吐息をもらしたりして。
あなたは僕にとって、瞬く間の夢。
幼い僕に必要だった、
真綿の毛布みたいな母の幻影で。
いつかお祭りで買ったわたあめのように、
実体が無いようで有る
心に溶けていく優しさ。
あなたに決して、知られてはいけない。
若葉色の淡い空気と一緒に、
そっと飲み込んで秘密にしておこう。