ポエム
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湖面に浮かぶ僕のプライドが
風にザワザワと、
切り刻まれる。

ボートに乗った親子や男女の
平和な休日。

しかし、本当は焼け野原のように
湖上には炎が燃え盛る。
木々がガヤガヤと葉を揺らして
鳥は逃げろ、逃げろと叫んでいる。

花から蜂が飛び立ち、神様にこの騒ぎを伝えに行こうとするとき
僕は必死に弁明する。

違うんです、違うんです
でも本当はわかっている
この騒ぎを起こしたのは、
紛れもない僕だと。

死にたいと思ってしまうのは
僕が薄情だからか、無責任だからか
本当は誰の記憶にも残らないまま
塵のように空に消えたい

幸せそうな休日の
懇ろな話し声を聴いていると
心の乾いた晦冥が震える

悲しみが金切り声をあげようとしたとき
夏が大きな口を開けて、
僕や湖ごと、ごくんと飲み込んだ。
23/08/03 07:16更新 / たろう



談話室



■作者メッセージ
死にたいと思うほど辛くても、その気持ちに終止符を打って、家に帰らなければいけないし、明日を生きなければいけないし。

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