鏡
湖面に浮かぶ僕のプライドが
風にザワザワと、
切り刻まれる。
ボートに乗った親子や男女の
平和な休日。
しかし、本当は焼け野原のように
湖上には炎が燃え盛る。
木々がガヤガヤと葉を揺らして
鳥は逃げろ、逃げろと叫んでいる。
花から蜂が飛び立ち、神様にこの騒ぎを伝えに行こうとするとき
僕は必死に弁明する。
違うんです、違うんです
でも本当はわかっている
この騒ぎを起こしたのは、
紛れもない僕だと。
死にたいと思ってしまうのは
僕が薄情だからか、無責任だからか
本当は誰の記憶にも残らないまま
塵のように空に消えたい
幸せそうな休日の
懇ろな話し声を聴いていると
心の乾いた晦冥が震える
悲しみが金切り声をあげようとしたとき
夏が大きな口を開けて、
僕や湖ごと、ごくんと飲み込んだ。
風にザワザワと、
切り刻まれる。
ボートに乗った親子や男女の
平和な休日。
しかし、本当は焼け野原のように
湖上には炎が燃え盛る。
木々がガヤガヤと葉を揺らして
鳥は逃げろ、逃げろと叫んでいる。
花から蜂が飛び立ち、神様にこの騒ぎを伝えに行こうとするとき
僕は必死に弁明する。
違うんです、違うんです
でも本当はわかっている
この騒ぎを起こしたのは、
紛れもない僕だと。
死にたいと思ってしまうのは
僕が薄情だからか、無責任だからか
本当は誰の記憶にも残らないまま
塵のように空に消えたい
幸せそうな休日の
懇ろな話し声を聴いていると
心の乾いた晦冥が震える
悲しみが金切り声をあげようとしたとき
夏が大きな口を開けて、
僕や湖ごと、ごくんと飲み込んだ。