悲しみに満ちたとうもろこし畑は
ひたすら僕に、
苦しみを訴える。
僕は必死に、
それを受け止める。

悲しみに満ちたとうもろこし畑は
ぼろぼろの体を、
風に殴られる。
僕は必死に、
その目を見つめる。

とうもろこし畑がこぼした涙を
虫が飲み込み、命を燃やす

ああ、この世はどうしてこんなにも冷徹で
こんなにも無慈悲なのだろう
あなたのその我慢が、
身近な誰かの、笑顔に変わった。

何も感じていないように
何も思っていないように見えても
本当はたくさんのことを考えて
たくさんの傷をその一身に受けている

もうそんなに頑張らなくていいんだよ
もっと自分勝手でもいいんだよ
悲しみに満ちたとうもろこし畑に
僕は大きく手を振った
その手にたくさんの想いを込めて。

■作者メッセージ
気づけばいつも無理してしまうあなたへ。周りを優先して、自分を後回しに生きているあなたへ。