ポエム
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ヒグラシ
ヒグラシが鳴き始めた
雨は降ったり、降らなかったり
時々、知らなかったり
フラスコ売りの兄は
すべてのキャベツを刻み終えると
沈まない潜水艦に乗って
埼玉に帰っていった
父はベッドに寝たまま
これから俺はどこに行けばいいんだ
そう言って小銭入れを握りしめている
もう死にたいよ、と母が呟く
俺だって死にたいよ、と父が返す
いいんだよ、眠ってまた目が覚めれば
みんな忘れてるんだから
誰も何も覚えてないんだから
23/09/21 07:07更新 /
たけだたもつ
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