カレーライスの分解
深夜、ふと思い出し
夢の中でカレーライスの
分解を始める
専門の工具を使って
肉は脂身と赤身を分け
さらに赤身は一本一本
繊維のネジをはずしていく
ご飯の一粒は小さいけれど
細かい部品が多い
一番やっかいなのはルーで
パーツごとの結合が強く
力加減に注意して
壊さないようにばらしていく
君が作ってくれたカレーを
思い出しながら作業を進める
美味しいカレーなのに
どんなに綺麗に分解しても
君の味に敵わない
この夢の中ではもう
君がいないことになっているから
やがて目が覚めて
新しいおはよう、を
君に言う時まで
カレーライスを分解し続ける
本当はこれは夢ではないと
薄っすら気づき始めているけれど
終わらない夢の中で
ひたすら分解をし続けている