ポエム
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小箱


信号機に話しかけた
けれどその装置は
何も答えてはくれなかった

人が作ったから
人に作られてしまったから
今日もすべてのものに
平等に
色を伝えている

家の者に食べ慣れた
安いケーキを買って帰る
生きていくことの
積み重ねの中で
どうでもいいものなんて
本当はなかった

それでも
どうでもいいものは
どうでもいいものとして
そっと小箱の中に
しまっておいてあげたかった

25/02/10 05:52更新 / たけだたもつ

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