ポエム
[TOP]
漂流


電子レンジを開ける
中には海がある
波間にレンジが漂っている
泳ぐことは苦手だけれど
意を決し飛び込む
君との二人分の
ご飯を温めたかった
何とかレンジに辿り着き
扉を開ける
おかずをテーブルに並べ
腰かけている君の
背中が見える
いつの間にか細くなって
今にも消えそうな背中
すぐ行くからね
と声をかける
ふと振り返った
君の視線の先に
僕がいるはずもなかった

24/01/09 07:01更新 / たけだたもつ



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c