ポエム
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ブランコ

不安な気持ちでたまらない、と
夜、入院している父から電話があったので
病院まで行く
今日はリハビリ頑張りすぎたんだね
そう言って落ち着くまで父の頭を撫でる

その帰り、公園に立ち寄る
周りに誰もいないことを確認して
昔見た映画みたいにブランコに座る
夜になっても
ブランコもジャングルジムも滑り台も
公園の管理者はどこにもしまわない
こうやって必要としている人がいると
知っているからかもしれない
人はたぶん
僕が思っている以上に優しい

生まれてから四十年以上が過ぎた
僕が生まれた頃を知っている人は
大抵が老い
老いたまま逝き
老いることなく逝った

父の頭を撫でるようになるなんて
思ってもみなかった
一度も漕ぐことなくブランコを降りる
漕いでしまえば
楽しかったことばかり
思い出すにちがいないから

23/12/18 07:11更新 / たけだたもつ



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