とあるわたし
わたしの部屋にいた蝶々が
飛べない蝶々が
ある日、自分でドアを開けて出て行った
かわりにあなたが入ってきて
二人で話をした
楽しい話をたくさんした
けれどそれはきっと夢で
目が覚めると蝶々はまだ部屋にいて
あなたの姿はどこにもなかった
何を話したのか覚えていないし
あなたが誰なのかもわからない
窓を開けると羽が回復したのか
蝶々は飛んでいってしまった
外は雨が降り始めていて
部屋も、とあるわたしも、ゆっくりと
水に沈んでいく
すべてが溶けて消えた後には
蝶々やあなたが遊びに来られるような
綺麗なお花畑になれば良いと思った