ポエム
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ユスリカ


昼間はゆらゆらと
国道の標本で遊んだ
すぐ側で乾いたアイロン台が
牛のように転がっていた
人の形をしたプラスチック製のものを
道路に並べて行く
ここには車が来ないので
安心していくつも並べた
点滅する信号はもはや
燃え尽きた身体の
ひとつの部位になってしまった
うまく笑えなくても心配はいらない
毎日とは
優しさとの戦いと
優しさに似たものとの妥協
その限りない連続なのだから
夕方になると
ユスリカの群れをかき分けて
ソフトボール部のキャプテンが
許しに来てくれた
なるべく言葉を選んで
丁寧にお侘びとお礼をした
初めて見た人だし
何をやらかしたのかも
わからないのに

23/11/14 07:03更新 / たけだたもつ



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