象の話
逆立ちをしている象の足に
流れ星が刺さった
昼間の明るさで
誰にも見えなかった
象は少し足が痛い気がしたけれど
逆立ちをやめてしまうと
子どもたちががっかりするので
我慢してその姿勢を崩さなかった
やがて夕方となり
子どもたちは家に帰って行った
象は逆立ちをやめて
長い鼻で足に刺さった流れ星を取った
徐々に闇が濃くなるにつれ
流れ星は本来の輝きをとり戻した
その正体が何であるのか
象にはわからなかったけれど
子どもたちにも見せたいと思った
でも彼らは食事や宿題をする
自分たちの生活の途中であり
そして象は
彼らの親ではなかたった
流れ星は燃え尽きて
ただの石ころになった
象がくしゃみをすると
どこかにとばされて
他の小さなものと
区別がつかなくなった