接続詞
昨日より冷たい君の
手を引いて
坂道を上る
君の腕が肩から
肩から抜けてしまわないように
そっと引いて上る
途中、誰がつくったのか知らないけれど
昔からある赤茶けた工業地帯が
野原の奥の方へと連なっている
今日はお土産になりそうな
部品のようなものや
草花のかけらも見つからない
坂の上にある
小さな無人駅の改札を通り抜けて
車両番号の消えかかった列車に乗る
ただ列車の中で
呼吸をするために
とりとめも無い言葉を
拙い接続詞でつないで
発車していく
いつから僕らは
戦うことをあきらめてしまったのだろう
最初のトンネルにさしかかるころには
頭を垂れて
砂糖菓子のように眠っている