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本の索引をめくる
たくさんの指紋がついている
たどって行くと
エスカレーターがある
エスカレーターに乗って
植物の茎を昇っていく
やがて一枚の葉が終点となる
葉の先端には小さな空港があって
一匹の蝶がとまっている
発車ベルが鳴り響く
あれに乗らなければ、と思い
懸命に走る
葉が揺れた拍子に転び
蝶は発車してしまう
次のに乗ろうとするけれど
先程の蝶がこの季節の最終便である旨
アナウンスが流れる
もとの所に戻ろうとしても
下りのエスカレーターは見つからない
仕方なく本を閉じる
ふと指先を見ると
指紋がすべてなくなっている
来年の同じ季節になれば
誰かが待っていてくれる気がする

23/10/07 09:20更新 / たけだたもつ



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