虹
水管橋に降り注ぐ光
何がしたかったの
わたしの腕も指も
多分、人より短い
変わっていく時間は
変わり続けて
気がつけば
アパートばかりが
目立って増えていった
あなたを思う時
あなたは父
あなたは母
あなたは恋人
あなたは妻、あなたは夫、あなたは
娘、あなたは息子、あなたは恩師、
あなたは友人、あなたは季節、あな
たは名前、あなたは後悔、あなたは
なぞなぞ、あなたはわたし
話さなければいけないことは
たくさんあったはずなのに
水溜りの上に掛かった
虹に気を取られて
一センチ先、
一ミリ先にあるあなたを
見失ってしまった