ポエム
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夢の中
真っ暗闇の中
あるのは階段の輪郭だけ

懐かしい声がする方へ降りていって
大切だったことだけは確かに覚えている

牛乳の中に入った角砂糖のような
溶け合う思いをかき混ぜて渦になった

声が近くなって
知覚が鮮明になっていって

それは蛍のようなあなたが生きていることの証明で
その瞬間を大切だった瞬間を静かに囁いてその声が離れない

思い出がいつの日か思い出せなくなって
思い出じゃなくなっても君のことだけは覚えていたい

微かなものが頼りだけど
便りのようにその存在を教えてくれる

虫が鳴いている
気づけば僕が泣いていた

教えてくれありがとう
生きてくれてありがとう

僕はあなたにはなれない
だからこそあなたと共に生きれてよかった

それはまるで夢の中のよう
20/11/26 01:08更新 / 流れる月



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