ポエム
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厳冬
一体いつから傷を数えることを忘れたのでしょう
美しくない自分に気づいたのはいつでしょう

ねえ期待しないで生きてられる方法を教えてよ
大切な何かが崩れていくのは
目を背けることで解決できやしないよ

みぞれのような言葉は
僕の心を凍えさせ、すぐに溶けては体を濡らした

そうしたら寒さのせいか怒りのせいか
少し紅潮した顔のその人は
「しっかりしな、そして生きなさい」
と言った気がした

雪解けを待つのは
春の目覚めを待つのは
誰でも同じでしょう
ため息は冬の白い息に変わった
苦しみながら考え出した答えは単純明快だった

あんなことがあったからこそ生き抜こう

ただ生きるために
生きているんじゃない

あの苦しみの全てが
意味のあるものだったと思うために
今を
これからを
生きよう
22/01/30 02:09更新 / 流れる月



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