ポエム
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雨過天晴
外の様子を気にかけて
雨ならてるてる坊主を作り
明日はどうか青空をと
あなたは願っていた
木陰に潜む小鳥のために

空の具合を気にかけて
晴れたら夜空に流れる星に
明日もどうぞ青空をと
あなたは願っていた
懸命に遊ぶ子供のために

私の擦り傷を気に病んで
切れてしまった下駄の花紐を
願いを込めて直してくれた
ぬかるみに足を取られて
こけてしまわないように
日向の道を歩けるように
良くないことなんてすべて
起きないようにと私のために

吉兆も凶兆も信じられず
験を担いだこともないのに
妙に転ばない自信があるのは
あなたが懸けた願だからなのか

いつ癒えるのかわからない
自分の痛みよりもずっと
日を跨げば消えるような
私の痛みを心配していた
出会ったこともないような
小鳥や子供のことを想った
あなたより優しい人を
私は今までに知らない


何気なく空を見てみると
遠く先まで曇っていて
明日はどうせ雨空だと
わかりきってはいたけど

運勢も運命も信じられず
占いなんて避けていたのに
下駄を飛ばしてしまったのは
あなたがすげた物だからなのか
晴れの予想が指しているのは
天気のことなのだろうか




思った通りの雨だけど
はずれたとは思わないのは
昨日本当に示していたのは
あなたのことだと思うから
すぐには止まないだろうけど
陰々滅々としないのは
いつかは晴れる時が来るから
あなたの未来もそうだから
必ず天気が良くなるのなら
あなたも同じはずだから
これまで信じなかった力も
これほど信じたくなるのは
あなただから






すっかり上がった青空には
とても大きな虹が架かり
根元を見ようとばたばたと
子供たちが走って行く
下をくぐろうとぱたぱたと
小鳥たちが飛んで行く
その光景をからんころんと
横目にひとり歩いて行く

木漏れ日の地面を彩る
変幻自在の明暗模様を
一緒に眺められたなら
木末の雫をぽたりと受けて
手巾を忘れたことに気づく
瞬間を笑ってくれたなら
あなたよりそう思える人を
私はこれからも知らない
22/06/23 23:59更新 / ぬけあな



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