ポエム
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幕間
胸にコサージュ咲いたあの日
顔を合わせなくなることを
転とするのか結とするのか
曖昧に君はまたねと言った

互い舞台は移り変わっても
尾を引く心はまだ教室で
横顔を見ていた机の裏で
忘れ物に化けてへばりつく

喜劇と呼べば次の日からの
寂しさをも笑われそうで
悲劇と呼べば前の日までの
楽しさをも哀れむようで
どちらにしてもどうしても
終劇にはしたくなかった

またねと容易く投げた君は
ハナから幕切れのつもりで
もう二度と会う気はないと
薄々感づいていたとしても

またねを本気で受けた僕は
あれから今も幕間のままで
もう一度君ともう一幕をと
何の役割も持てないままで
朝がいくつも暗転していく
22/03/03 16:21更新 / ぬけあな



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