ポエム
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宝文字
あの頃 優しい先生が
宿題を出してくれたから
こういうものが書けました
それを捨てていなかったから
引き出しから見つかりました

点と線をはみ出しながら
勝手気ままに伸びていた文字
掛ける篩の存在を
気にもしていないヘンな文字

あの頃 優しい先生が
それを褒めてくれたから
もっと伸びていきました
ノートいっぱいのはなまるに
負けないような文字でした

あの頃 優しい先生の
授業が終わった休み時間に
こういうものを書きました
削りたてのえんぴつで
白紙に世界を創りました

4コマ漫画 欲張り8コマ
吹き出しの中 宇宙語の台詞
僕が使ったじゆうちょうは
嘘偽りなくじゆうちょうでした

今 ペンでマネしてみても
大きな僕が書けるものは
掛ける篩の存在を
気にせずにはいられない文字

ページの端で塗り潰された
試し書きさえも尊くて
思い出が涙を呼ぶ前に
また引き出しにしまいました

あの頃 優しい先生が
それを褒めてくれたから
あの頃 勝手気ままな僕が
それを書いてくれたから
そして見つけられたから
こういうものが打てました
こういうものを残せました
21/07/08 03:25更新 / ぬけあな



談話室



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