ポエム
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雨の日
今日もわたしは 電車に詰められ
ガタンゴトンと 出荷よ出荷
駅に到着 こぼさないでね
荷下ろしの時間 ドバドバドバ

そんな無表情な 日々に染められ
わたしの顔は 鼠色
そんなつまらない 色だって個性?
そう教わったのよ にっこりにこり

今日もぼくは 電車に詰められ
ガタンゴトンと 出荷さ出荷
けれども残念 こぼされちゃった
切り刻まれて ザクザクザク

そんな無情さで 命は絶えた
ぼくの顔から 色が消えゆく
消えちまったよう 消えちまったよう
叫ぶ 叫ぶ 無色の魂は叫んでいる
叫んで叫んで 無い声が枯れて─

ぽつり。あめがひとつぶ
たましいの ほほを さましに ふってきました。
…ああ、うらやましい。うらやましいわ。

消えた。
19/10/04 08:32更新 / 佐藤むぎ



談話室



■作者メッセージ
通学中の電車は考え事が捗ります。

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