ポエム
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夜の街角と生存生命
握りしめた果物ナイフの切っ先が冷えていくのを
手の甲に当ててずっと感じていた
震える体が生存を主張するから
詰めていた息を捨てて もう一度呼吸を止めた

「いつか」
歌を歌っていた
晴れの街を見下ろして
風は吹き荒れて声を揺らした
いつまでも歌っていた
独りぼっちで歌っていた

「こんな」
嘘をついた
救われないことが正しさの所為にある
歪んで見えた色は高尚な白だった
いつまでも空を見ていた
独りぼっちで空を見ていた

「だから」
目を閉じた

「   」
もう、遅いんだよ。


ナイフを机にしまった。
街灯が憎かった。
足音が憎かった。
全てが、憎かった。

19/01/16 22:55更新 / 辻葉冷弧



談話室



■作者メッセージ
夜が好きでした
夜になると気分も暗くなるな
だからいいんだよな

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