とある街 X 黒の病室と黒猫
病室はブルーライトに光る
「だっておかしい」
「白に愛されるなんて」
「だから息ができなくなる」
夜の窓のサッシを撫でる手に埃
冷たい埃
「あなたは」
「その鉄格子を曲げられますか?」
『白を纏う己を許せぬ哀れな少年』
「夢を見ない哀れな淑女」
『それでも貴方の血は赫いのだわ』
「この眼帯を外しても貴女は黒のままでしょう」
『この街は貴方の夢ね』
「この街は」
「貴女が捨てた夢でしょう?」
「だっておかしい」
「白に愛されるなんて」
「だから息ができなくなる」
夜の窓のサッシを撫でる手に埃
冷たい埃
「あなたは」
「その鉄格子を曲げられますか?」
『白を纏う己を許せぬ哀れな少年』
「夢を見ない哀れな淑女」
『それでも貴方の血は赫いのだわ』
「この眼帯を外しても貴女は黒のままでしょう」
『この街は貴方の夢ね』
「この街は」
「貴女が捨てた夢でしょう?」