ポエム
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【くつした】

へその緒を切って
産声を聞くように、
私は大事に大事に
タグを切り落とす。

服ほど君を彩れない、
靴ほど君を守れない。

それでも必要なものでありたい。

幼いときから君は、
私達の想像と
違う方向へ向かっていた。

一生懸命にまとわりついて、
こっちだよ!そっちは危ないよ!
と、声をあげても、
進む両方の足を
止めることはできなかった。

君につく傷や、
世の中の汚れを
私達が受け止めてきたこと、
ずっと支えてきたことを、
君は分かってくれたかな?

いつしかサンダルを履いて
私達を拒絶して
反抗した季節もあったね。

どうにかしようと
慌てる私のストレスに、
お父さんが
破れてしまったのだろう。

その時は私も
ダメになりそうだったけれど、
君はそのタイミングで
上手に戻ってきた。

気を使わせていたのかな…。

これからもずっと
見守っているよ、
ヨレヨレになっても。

そして今日、
君に似た産声を聞いた。

次は君たちが
その子に靴下を履かせて、
足元から崩れないように
守ってあげる番だよ。

…かと言って、
君たちが大事なのには
変わりないから、
私はお祝いに
3足の靴下を
プレゼントしたのよ。
20/01/24 15:09更新 / 黒猫大和



談話室



■作者メッセージ
お母さん目線です。

子供が成長して、
孫ができるまでの流れを例えています。

子供が履く靴下を、
お父さん、お母さんに擬人化しています。

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