ポエム
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涙去る、風
新緑の草原に雲一つない青い空。

緑と青の間(はざま)に立つ自分。
愛する人を失った自身の心は大雨なのに、
どうして、雲一つない青い空が見られるのだろう。
頬に涙が流れる。

あの時、こうしていれば。
あの時、この言葉をかけていれば。
後悔の念が溢れて、一番の後悔がフラッシュバックする。

愛する人と大ゲンカしたあの日。
愛する人との最後の顔を見た日。
愛した人の顔はとても悲しげだった。

果てしない大空と大地に、「ごめんなさい」と泣き叫ぶ。
愛する人に届くくらいまで。
一風(いっぷう)の風が草原を靡(なび)かせる。
「泣かないで」
風は私の涙を連れ去る。

私は振り返り、
「ありがとう、大好きだよ」
風に言の葉のせて、果てしない大空と大地へ飛ばした。
16/04/21 22:35更新 / Aqua poem



談話室



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