ひとまず夜を終わらせる
ぼくはどうしても彼女の中絶を納得できないというフリをしてこのままずっと生きていこうと決め、大丈夫って言ってる奴らから大丈夫って言葉を取り上げてしまいたくて詩を書き始め、それがぼくにとって場違いの人間を自動で探知して排除するシステム(フーコー万歳!!!)になれば良いなと思って、するとある人が「そんなのは詩ではない」と言ってきて、その人はとても偉い人で良い詩を書く人だったから、「そういうものなんだ」と納得してしまい、とりあえず詭弁でも良いから自由が1番ですとか言ってみて、すると高一の時に亡くなった友人が(正確にはわたしは高校には行っていないのだけど)「書けるだけ何書いたって書けないよりマシだろ、ボケ」と言ってる気がする感じの風が吹いて、わたしは少し「おぉ!」となって、ジブリって金曜ロードショーで途中から見始めるだけでしっかり見たことないなって思って、「そういえばあいつはジブリが好きだったな〜」って、いや別にそんなことなかったかって、でもわたしは生理が来たことをあいつに1番最初に話して、なんだかそれはどんな奴らが主張する自由より守るべき自由なんじゃないかと思って、中絶するかどうかを決めるのに夜は適していないけど、日中では白々し過ぎるから、ひとまずイヤホンを耳に突っ込んだ。