空を知らないのに子どもを産む。それはそれは素晴らしい夜となるでしょう。君の部屋は狭すぎるせいで呼吸をするのもやっと。とうとう君は少量の酸素で生きていけるようになってしまう。大丈夫だよ、ぼくが君を永遠に記憶するから。決してその遺伝子を絶やさないようにするから。確かに自由って言葉はいい響きがするね。でもぼくがここに辿り着けたのはあのレイシストたちが道を教えてくれたからなんだよ。まぶたを閉じてごらん、もう決して開かないというつもりで。電車にただ揺られているだけでも生きてる実感が湧いてしまっても自分を卑下することはない。押し殺した本音が今夜の夜食だ。空の存在を知らせずに子どもを育てれば、馬鹿な夢は見ないだなんて大人ってのはクソみたいなことばかり考えるのが仕事なんだね。