潜る
息をとめて…
深く、深く、
潜ってゆく。
底を目指して…
時折、息を解き放ちながら、
もう二度と、
浮き上がることのないように…と。
随分と深く潜ったが、
不思議と暗くはなく、
未だに光が射し込んでいる。
小さく細かい泡たちが、
僕の身体を避けながら、
嬉しそうな顔をして、
キラキラ、キラキラ、
輝きつつ浮かんでゆく。
嗚呼…
なんと忌々しく、
美しい…
僕の口から放たれた息も、
瞳から溢れ出た涙も、
僕を裏切るように、
光を受けて輝き、
宙に溶けながら笑い、
僕から、
夢から、
逃げるようにして上ってゆく…。
それでも僕は、
潜り続ける。
未だ見えぬ、
夢の底を目指して…
もう二度と、
目覚めることのないように…と。