ポエム
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潜る


息をとめて…
深く、深く、
潜ってゆく。
底を目指して…
時折、息を解き放ちながら、
もう二度と、
浮き上がることのないように…と。

随分と深く潜ったが、
不思議と暗くはなく、
未だに光が射し込んでいる。
小さく細かい泡たちが、
僕の身体を避けながら、
嬉しそうな顔をして、
キラキラ、キラキラ、
輝きつつ浮かんでゆく。
嗚呼…
なんと忌々しく、
美しい…

僕の口から放たれた息も、
瞳から溢れ出た涙も、
僕を裏切るように、
光を受けて輝き、
宙に溶けながら笑い、
僕から、
夢から、
逃げるようにして上ってゆく…。

それでも僕は、
潜り続ける。
未だ見えぬ、
夢の底を目指して…
もう二度と、
目覚めることのないように…と。

19/05/17 18:26更新 / 夕顔



談話室



■作者メッセージ
夢と現実の狭間の世界は、とても美しいものでした。
それならば、夢の中の世界も美しいのだろうと、僕は思ったのです。

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