脆弱
私の此の脆弱な心は、
此の疲れ切った心は、
嗚呼…何と脆いこと!
硝子で出来た薄い膜のような其れは
何を受けた訳でもないのに
ほんの微かに震えながら
パリン…パリン…と音を立て、
小さく、高い、音を立て、
端から…端から…静かに割れて、
儘、崩れ落ちてゆくのです。
私はじっと横たわったまま。
其の破片を拾うこともせず。
静かに宙を見つめながら。
只々、耳の端で聞いているのです。
聞いているのです。
そうして、大切な何かの喪失を感じ…
何もできない無力さを噛み締め…
何もしない愚かさを呪い…
そうっと、涙を流すのです。
私の此の脆弱な心は、
此の疲れ切った心は、
私という人間は
嗚呼…何と脆いこと…脆いこと……