ポエム
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人ひとりの夜

家族といるのが苦になって
深夜家を飛び出した

人も車も灯りも無い道を
宛もなく歩いていった

すると一本の川に辿り着いた
ザアザアという音に惹かれてそばに寄れば

水の音は猛々しく
虫の声は清らかであった

それらは人の声よりも騒がしくはあったが
誰も私を責めなかった

すくい上げた水は私の手の中で踊り
優しい風が私の頭を撫でた

草木は私に無関心であったが
ずっと共に居てくれた

寂しさが埋められていくのを感じながら
私もその中でランランと歌を歌うのであった

ひとつ涙が零れたのを
星だけが雲の隙間から見ていた

19/08/08 03:56更新 / 夕顔



談話室



■作者メッセージ
たった今、私はその中にいる。

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