ポエム
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一年に届かない日の交差点から。
拝啓
残暑の厳しさも霞がかる頃

後を引く 君のあべこべ 見つめては 晴れた夜空に 眩む静けさ

相も変わらず何も変わらない僕は
何を忘れたかも忘れて
信号機を漠然と眺めていた

今を生きるのに精一杯なつもりで
手応えを無視して
自己満足の延長を生きている
歯止めの効かない歯車を源に
インスタのアカウントを行き来して
矮小な存在に関わる
血の気の引く限界値と
つまるところのつまらない景色の
落差に本質なんてものを模索して
君の赤らめた顔に辿り着いた


忘れることも怖いし
忘れたことも怖かった
でも忘れたかった
コーンポタージュの暖かさに
想いを馳せてる深夜に
隣に君が居ないことをようやく思い出す
叶うなら一瞬の迷いや躊躇いが渦巻く二人が
苦しむ時間が今もずっと続けばいいのに
奇を衒う度に嫌気がさす
君の黄色い笑顔を見失った


自分と他人の境界線は複雑で
見限られた己の甘さを
進めの合図だと理解出来ずに
ダラダラとこんなところまで来てしまった
周りを囲う山々といつか望んだ海に
縛り上げられてしまって
そろそろ顔を上げないと前を見ないと
仕舞いに立ち尽くすだけで
もう君はいないから
緑のカーディガンを掛けてはもらえない

まだまだ青かったのは百も承知だが
熟れて紅に染まれば何か違ったか
それが気になって気が気じゃない

またしても 成せぬ言霊 温めて 数多の夢に 春を委ねる

優しい運転手が車を止めていてくれた
縞模様を踏みしめる

敬具
23/10/09 22:36更新 / U.S.



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