昔日の面影
会社の帰り道、歩道橋を降りると
アマチュア写真家が、シャッターを切っていた
視線を投じると、古びた商店
屋号には、「くだものおやさい、八百町商店」
小気味いい言葉並び、昭和風情残る佇まい
いつも見ていたのに、気にも留めていなかった
一頻り撮り終えた後、彼は行った
町を彷徨っては、撮影しているのだろう
昔日の面影、失われつつある時代を
移ろいゆく時代、取り残された建物たち
ファインダーを通して、どんな世界が見えているのか
確かめる間も無く、彼は行った
行った後、残ったものは
シャッターの下りた寂れた商店と、途方に暮れる私
目を閉じると、在りし日の幻影が見えた気がした
アマチュア写真家が、シャッターを切っていた
視線を投じると、古びた商店
屋号には、「くだものおやさい、八百町商店」
小気味いい言葉並び、昭和風情残る佇まい
いつも見ていたのに、気にも留めていなかった
一頻り撮り終えた後、彼は行った
町を彷徨っては、撮影しているのだろう
昔日の面影、失われつつある時代を
移ろいゆく時代、取り残された建物たち
ファインダーを通して、どんな世界が見えているのか
確かめる間も無く、彼は行った
行った後、残ったものは
シャッターの下りた寂れた商店と、途方に暮れる私
目を閉じると、在りし日の幻影が見えた気がした
19/05/15 01:40更新 / 精玲音