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書き殴ったままの嫉妬
僕はあんたという存在を見ていながら何もわかっていなかった。きっとこいつは僕より薄い人生を送っていて、良い小説は書けないはずだ。なんて思って、少し自惚れていた。
でも全然そんなことなくて、薄い人生を送っていたのは僕の方で。あんたは目標に向かって歩みを進めている。僕は後ろからぼーっと眺めているだけで。それにあんたの周りにはそれを評価してくれる友達もいる。僕にはいないのに。それに、あんたは関係の浅いクラスメイトに、必死になって手伝いをしていた。その時明確に感じた。負けている。この思考をしてる時点で、勝ち目はなかった。僕に、あんたを超える能力も精神も技術も何一つなかった。
あるときあんたの書いた小説をチラッと横目で読んだ。原稿用紙に書いてあるのが不思議なほど、腑に落ちた。もうダメだった。
25/10/15 01:28更新 / 細言

■作者メッセージ
ただの独白です。

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