人に光を見せたかった
それで救われた私だから
人を救うことが存在証明だった
それしかできない私だから

愛が欲しかった
光すらなかった
そんな時間を過ごしたから
欲求不満な私だ
愛が欲しかった
光を見せたかった
満たされない空白だけが残った

目に見えるものが全てで
見えなかったら全部嘘で
それでも言葉に揺らいでしまう
人間だから


救って
救って
救って
救って
癒えない傷に蓋をする
そんな私の生きがい全部を
押し付けてしまった
黙って
黙って
黙って
黙って
ごまかしの笑顔を振り撒く
こんな嘘ばっかりヒーローなんだ
なりたかったんだ


あなたは何も言わなかった
辛い顔ひとつ見せなかった
逆に罪悪感湧いてくる
どうせなら突き飛ばしてくれてもよかった
人を救えないくらいなら
死んでもよかった

生きてしまうなら
救いたいから

■作者メッセージ
結局、救えるなら誰でもよかった