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両手をまっすぐに伸ばして
とっても大きくて重たいものを受け取ろう
とでもいうように
せいいっぱいで待っているのに
すり抜けて逃げていく小さなボール

追いかけていく　幼い子には
ボールしか見えない
　　ほうら　ころんじゃった

大声をあげて泣くから
ボールもびっくりして振り返った

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ボールを高く投げ上げる
つられて眼が追いかける
落ちてくるなんて思わなかったから
そのまま空を見上げていたら

ボールはおかあさんの手の中
　　どうして？

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夕陽　オレンジ色の大きなボール
願いごとをとばしたい　むかしのように
想いを投げかけたい　遠くのほうに
でも
　　おかあさん　おなかすいた
呼ぶ声にどこからでも
あなたたちのそばにもどってくる
たくさんのことども

そう　だから　ボールが取れなくても
泣かないでね

■作者メッセージ
自粛も長くて花の下に鬼も密を避けているようで。ちょっと童心にかえってみました。